体育研究所 研究所概要

所長挨拶

体育研究所は長年にわたって日本体育大学における研究活動の中心を担って来ました。その研究テーマは子どものからだに関する研究、競技力に関わるハイパフォーマンス研究、スポーツ社会学やスポーツ史をはじめとするスポーツ文化研究、健康に関する生理学的・生化学的基礎研究などであり、日体大を特徴付ける研究を行って来たと言えます。

私は2014年度に体育研究所所長に就任いたしました。就任当初は当時学長であった谷釜了正先生の命により、トレーニングセンター長であった西山哲成先生と協力してアスリートをサポートする組織作りおよび競技力向上研究に取り組みました。結果的に、当時おそらく国内の大学では初の試みとなるアスリートサポートを専らとする教員(NASS助教)を配したNASS (Nittaidai Athlete Support System)の設立を果たしました。さらには2017年度のアスレティックデパートメント設立へとつながり、本学競技力向上のサポート体制に資するところは大きかったと自負しています。

2017年度に具志堅幸司学長により体育研究所所長の続投を命ぜられました。競技力向上研究の中心がアスレティックデパートメントに移ったこともあり、この機会に改めて日体大をブランディングする今日的な研究テーマを考えました。人類が体験したことのないような超高齢社会にすでに突入している本邦において、健康寿命延伸に関する研究は極めて重要な位置づけにあります。厚生労働省が2011年に五大疾病として位置付けたメンタルヘルス、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の全てに対して運動が有効であることが直接・間接的に証明されています。今後本学において運動と健康に関わる研究を行うことは極めて重要であることは言うまでもありません。このような背景の下、2017年度より体育研究所では運動と健康寿命延伸に関わる研究を主要なテーマとして設定しました。取り扱う領域も基礎から応用、子どもから中高年といった幅広い対象に取り組むことにしました。

長年にわたり本学の研究活動の中心であった体育研究所の名を汚すことのないように精進してまいります。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

体育研究所
所長 中里浩一

体育研究所の概要

体育研究所は1962年に設立された。設立当時のスタッフは栗本義彦所長、松岡脩吉主任、正木健雄氏、山田良樹氏、圓吉夫氏という布陣であった。その後1971年に松岡脩吉教授が所長に就任してから本格的に研究活動を開始した。松岡氏は東京大学医学部公衆衛生学教室の主任を経た後、1958年に本学教授に招聘された。体育研究所の事業報告としての日本体育大学体育研究所所報は、松岡所長誕生の1年後である1972年に発刊された。報告・研究内容は野外実習の調査研究や部活動における体力測定が主であった。

1972年以降体育研究所からの事業報告書は、多少の名称変更はあるもののほぼ毎年発刊され、42巻を数えるに至る(2017年度現在)。事業報告書を元に体育研究所の研究活動をみると、子どものからだに関する研究、競技力に関わるハイパフォーマンス研究、スポーツ社会学やスポーツ史をはじめとするスポーツ文化研究、健康に関する生理学的・生化学的基礎研究などを取り扱ってきている。これら体育研究所の活動は日本体育大学を特徴付ける研究を推進する母体としての役割を果たして来たことを示している。