オリンピックスポーツ文化研究所 お知らせ

お知らせ 2025.04.01 新年度挨拶

平素は、日本体育大学オリンピックスポーツ文化研究所の事業にご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。本年度も、研究所の事業に対し、お力添えのほど、よろしくお願い申し上げます。

オリンピックスポーツ文化研究所は、「我が国のスポーツ文化の深化・発展に務めるとともに、オリンピック・ムーブメントを主導的に推進し、スポーツの『力』を基軸に、国際平和の実現に寄与する」という本学の使命を果たすべく、2015年度に、当時の松浪健四郎理事長と谷釜了正学長のご尽力によって設立されました。
周知の通り、創立134年の歴史を誇る本学は、メダルの獲得数においても競技者及び大会関係者の派遣数においても、近代オリンピックとともにその歩みを進めて参りました。そのため、研究所の主要な事業の一つには、「日体大におけるオリンピックを中心とした歴史の構築」や「スポーツミュージアム」等への発展を検討していくことが掲げられたわけであります。以来、研究所は、初代所長・谷釜了正先生(2015-2017)、2代目所長・関根正美先生(2018-2022)によって牽引され、メインプロジェクト「オリンピアン・パラリンピアンの記録」を通して、戦後の本学オリンピック関係者の歩んだ軌跡を記録に留める活動等に取り組んで参りました。

一方で、創立以来の本学オリンピック関係者に関する史資料の収集は、本学の長年の課題であり、研究所設立以来の使命でもありました。本学の、人文・社会科学研究の旗振り役を担う研究所は、設立10周年を迎えた2024年度のタイミングで今一度その設立目的に立ち戻り、その指針を示すことと致しました。その結果、全国各地に散在しているオリンピックを中心とした本学創立以来の歴史の断片を拾い、紡ぎ、そして、次世代の日体ファミリーへと継承していく事業と、オリンピックをはじめとしたスポーツ文化に関する学術研究とに、まさに、車の両輪の如く従事していく研究機関でありたいと考えるに至りました。

本年は、第二次世界大戦後80年という節目の年にあたります。先の大戦では、オリンピック関係者をはじめとする、実に多くの先輩方(日体生)がその尊い命を落としました。いうまでもなく、その時代を知る先輩方は年々少なくなっております。再び体育・スポーツに汗を流すことが叶わなかった先輩方の無念を想わずして、真に現代社会における平和を考えることには繋がりません。ウクライナをはじめ世界各地で戦争や暴力が止まない今だからこそ、戦没同窓生に関する調査・研究も、研究所が担うべき喫緊のプロジェクトと考え、今年度はその名簿(第一弾)の作成を目指しているところです。

16年後、2041年の創立150周年を見据えて、オリンピックスポーツ文化研究所は、オリンピックを中心とした本学の歴史の構築(プロジェクト1)及びその継承(プロジェクト3)と、それをはじめとしたスポーツ文化に関する研究(プロジェクト2)の両方に率先邁進していく覚悟です。

2025年4月

オリンピックスポーツ文化研究所 所長 依田 充代