オリンピックスポーツ文化研究所 お知らせ

お知らせ 2024.04.01 新年度挨拶

オリンピックスポーツ文化研究所は2015年4月に設立され、2024年度で10周年を迎えます。これまでに学術誌『オリンピックスポーツ文化研究』を8号発刊し、33本の研究論文、20本の研究ノート・報告、43人のオリンピアン・パラリンピアンの記録、2019年度からは特集論文として15本の論文を掲載してきました。こうした論文や報告を学術誌として発刊することの意味は研究所としての責務と考えております。記録に残すこと、そしてそれらを蓄積し、後世に伝えることがどれほど重要なことであるのかは言うまでもありません。

今年は2023年度の学術誌として『オリンピックスポーツ文化研究』第9号を発刊いたしますが、こちらにも多くの論文や報告が掲載される予定です。2023年度の特集は「オリンピック・パラリンピック選手を育てる」をテーマにそれぞれの選手育成を手掛けている指導者の方々からご執筆いただきました。また、「スポーツの祭典の継承-2020東京大会を振り返る-」をテーマに2回のセミナーを開催し、第1回目は奈良女子大学の石坂友司先生から「東京オリパラが生み出した遺産」を、第2回目は尚美学園大学の佐野慎輔先生から「東京からパリへ-オリンピックがつなぐもの-」をテーマにご講演いただきました。また、お二人の先生方にはセミナー報告としてその内容をご執筆いただきました。

今年度はさらにオリンピックイヤーとして「パリ・オリンピック」に関係する方々の特集を組みながら、10周年にふさわしいセミナーを開催出来ればと考えております。また、プロジェクト研究としては、2023年度2024年度の二カ年計画で進めております研究が進行中です。プロジェクト1は「日体大とオリンピック・パラリンピック」、プロジェクト2は「オリンピック・パラリンピックの理念・価値と現代的課題」、プロジェクト3は「オリンピックスポーツ文化研究所所蔵品の整理と目録・解題」、プロジェクト4は「1964年東京オリンピック蹴球競技の運営に関する史的研究」で、16の課題研究が進められていますので、その成果も期待したいと思います。

2024年度は多くの皆さまと10周年の記念となるイベントを共有しながら、その記録を残し、これからの10年を考える1年にしていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

2024年4月

オリンピックスポーツ文化研究所 所長 依田 充代