子どものからだ研究所 お知らせ

お知らせ 2024.04.01 新年度挨拶

「身体に纏わる文化と科学の総合大学」を標榜する本学は,体育・身体活動・スポーツを通じた健康で豊かな社会の実現に向けた教育・研究活動に取り組んでいます.中でも,子どものからだに焦点をあてた研究活動は古くから一貫して取り組まれてきたテーマでした.そして,その研究成果を着実に蓄積し,日々の教育活動だけでなく,広く社会に発信する活動にも努めてきました.

このような経緯も踏まえて,昨年(2023年)4月に設立されたのが「子どものからだ研究所」です.産声を上げたばかりの研究所ですが,さっそく実態研究,実践研究,支援研究の3つのグループに分かれて旺盛にそれぞれの研究活動を進めています.

また,昨年のスポーツの日(10月9日)には設立記念シンポジウムを開催することもできました.当日は,学内外を問わず,全国各地から研究者だけでなく,保育・教育現場の先生方,行政,マスコミの関係者等,150名近くの方がご参集くださいました.また,日本における子どものからだ研究を長年に亘って牽引してきた小澤治夫先生(静岡産業大学特別教授)の記念講演では,日本におけるこれまでの子どものからだ研究だけでなく,当研究所への期待も語っていただくことができました.まさしく,身の引き締まる想いでした.今後は,人類の健康,社会の福祉に貢献する子どものからだ研究の発信地として,同分野における国内外の研究を牽引していけるような研究活動に従事していきたいと思っております.また,その成果を広く発信していきたいとも思っています.どうぞ,ご期待ください.

ところで今年は,子どもの権利条約が国連総会の全会一致で採択された1989年から35年,それが日本で批准された1994年から30年の節目の年に当たります.それだけでなく,日本政府からの「第6・7回報告書」が国連に提出される予定にもなっていますから,その意味でも重要な年ということになります.そういう意味では,従来の「a child centered approach(子ども中心のアプローチ)」や「a child friendly approach(子どもにやさしいアプローチ)」,「a child sensitive approach(子どもに配慮したアプローチ)」といった考え方に終わらせることなく,「a child rights-based approach(子どもの権利に基づくアプローチ)」という考え方にまで発展させることが重要です.本研究所も,その一翼を担えるような研究成果を蓄積,発信していければと思っております.どうぞよろしくお願いします.

2024年度が,子どものからだ研究にとって飛躍の1年になることを願って…

2024年4月

子どものからだ研究所 所長 野井真吾