HOME > 教員紹介 > 中里浩一教授

教員紹介|日本体育大学/日本体育大学女子短期大学部

教員紹介

中里 浩一 教授

中里浩一教授 写真
氏名 中里 浩一
職名 教授
所属学科 学部:保健医療学部・整復医療学科
大学院:体育科学研究科 健康科学・スポーツ医科学系
研究室番号 研究室:世田谷 1515
生化学実験室:世田谷 2B07
Tel 03-5706-0821
E-mail nakazato@nittai.ac.jp

詳しい情報をみる「日本体育大学 教員情報データベース」

主な研究内容

伸張性収縮誘発性筋損傷および肉離れ損傷時に観察される神経機能低下の解明

筋が力が入っている状態で引き延ばされることを伸張性収縮といい、伸張性収縮は肉離れ損傷の主な誘因とされています。我々は動物モデルを用いて伸張性収縮誘発性筋損傷を解析してきました(Am J Sports Med, 2004, BMC Musculoskeltal Disorders, 2013)。特に近年伸張性収縮により誘発される筋損傷時に、あわせてその筋を支配している神経が機能低下していることを発表しました(Muscle & Nerve 2013)。動物モデルおよびヒトを対象としてさらに伸張性収縮および肉離れと神経損傷の関係を解明するとともに、神経損傷を加味した肉離れ損傷、伸張性収縮誘発性筋損傷および遅発性筋通などの総合的理解を目指します。

実験動物モデルを用いた筋力トレーニング時の筋肥大メカニズムの解明

我々は実験動物モデルを用いて電気刺激による筋力トレーニングによって筋肥大が誘発されることを報告しています(JPS 2007, JSCR 2010, Physiol Res 2013, J Appl Physiol 2013)。本実験モデルはヒトにおいて通常行われる筋力トレーニングと筋肥大率、細胞内シグナル応答などにおいて類似点が多いこと、他の実験動物を用いた筋肥大モデルと異なり条件設定を詳細に変更できることから他のモデルでは得られない知見を見いだしています(J Appl Physiol 2013、Biomed Res Intl 2013)。本モデルを用いて筋力トレーニング時の筋肥大メカニズムを解析するとともに、得られた結果は積極的にヒトにおける最適な筋力トレーニング方法の開発などに応用していきたいと考えています。

栄養摂取による骨格筋機能の修飾

我々は栄養摂取条件を変化させることにより筋の発揮筋力、持久力が変化することを報告してきました(MSSE 2007, J Nutr Biochem 2008, Mol Nutr & Food Res 2010)。栄養摂取と筋肥大あるいは筋持久力の変化は未だに不明な点が残されています。ただし筋力トレーニングと栄養摂取の併用による筋機能向上といった重要な応用性があり、特に損傷したアスリートや高齢者などに福音をもたらす可能性があります。本研究では上記二つの筋損傷あるいは筋肥大と栄養摂取の併用により損傷の予防あるいは早期修復、もしくは筋肥大の補助といった機能をもった栄養の探索および分子メカニズムの解明を目指します。

ヒト遺伝子構造の多型性とスポーツパフォーマンスおよびスポーツ損傷との関係

我々は遺伝子構造がスポーツ選手における椎間板変性の発生(Int J Sports Med 2009, 2012, Am J Sports Med 2010)やスポーツパフォーマンス(Applied Physiol Nutr Metab 2009, Inter J of Sports Phys Perform 2013, JSCR 2012, 2013)に強い影響を与えることを示してきました。今後はさらにスポーツ損傷やスポーツパフォーマンスに強い影響を与える遺伝子を探索するとともに、遺伝子構造に根ざした損傷予防あるいは適切なトレーニング方法の開発などを目指して研究を行っていきます。

力学的刺激および細胞外マトリックスが培養骨格筋細胞分化に与える影響

細胞外マトリックスは細胞の外にあって細胞の足場になるタンパク質です。我々は培養筋細胞に対して力学的刺激を負荷することで筋細胞のタンパク質合成が高まることとその応答は細胞外マトリックス依存的であることを確認しています(未発表)。今後は培養骨格筋の力学的刺激への応答をさらに解析するとともに、細胞の足場である細胞外マトリックスを変化させることが筋細胞にどのような影響を与えるかを検討していきます。

経歴

1992年3月 東京大学教養学部基礎科学科第一卒業
1998年3月 東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系博士課程修了【博士(学術)取得】
1998年4月 日本体育大学大学院健康科学・スポーツ医科学助手就任
2002年4月 日本体育大学体育学部健康学科 【運動生理学研究室】 講師就任
2005年4月 日本体育大学体育学部健康学科 【運動生理学研究室】 助教授就任
2011年4月 日本体育大学体育学部健康学科 【運動生理学研究室】 教授就任