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日体大健康長寿研究(Nittai Healthy Longevity Study)①日体大卒業生の現在を知る

 プロジェクト研究3は「中高齢者の健康寿命延伸」をテーマに、運動生理学、社会福祉学、トレーニング科学、運動疫学の観点から調査、研究を進めてまいりました。「健康寿命」は心身共に健康で、自立した生活を送る上で非常に重要であり、なかでも体力の維持・増進は健康寿命を支える一因となっています。そこで我々は、2022年度から本学卒業生に対する大規模な調査研究「日体大卒業生健康寿命延伸プロジェクト」を開始しました。本プロジェクトは、類い稀な体力を持った日体大生の「卒業後」を調査し、健康寿命延伸に資する理論体系を構築することで、日体大卒業生のみならず世界の健康寿命延伸を目指しています。

「元学生アスリート」は卒業後に健康で充実した人生を送っているか?

 卒業生を対象とした研究として世界的に有名な研究は、1962年に開始されたハーバード大学の男子卒業生を追跡した研究(Harvard Alumni Health Study)であり、身体活動や運動習慣と健康の関係について数多くのエビデンスを残してきました。近年では、全米大学体育協会と米国の世論調査会社であるギャラップ社による調査で、学生時代にアスリートであった学生はそうでなかった学生と比較して、卒業後は身体的、社会的に充実していることが報告されています。日本でも在学中の体力レベルや体育会系所属の有無が卒業後の健康や社会的成功に影響するという報告があり、「元学生アスリート」は卒業後に健康で充実した人生を送っている可能性があります。一方、競技種目や競技レベル、継続年数などの影響がどの程度あるかは明らかではありません。

日体大が世界の健康寿命延伸をリードすることを目指して

 日体大は、130年以上の歴史と伝統を誇り、身体に纏わる文化と科学の総合大学として日本全国からアスリートが集まる、体育・スポーツの名門校です。「体育・スポーツ」に特化した学生時代を過ごした卒業生が、その後どのような生活を送っているか知ることで、健康寿命に関するこれまでにないエビデンスを構築することが期待できます。

 2023年度は日本体育大学同窓会にご協力いただき、日体大卒業生の現在の生活・運動習慣や健康状態・幸福感を調査しました。また、事前に調査参加を希望していただいた卒業生には、在学中に行った体力測定個人票の発行や、健康の維持増進に役立つコラムを配信しています。今後は調査結果を公表するだけでなく、これまで我々が実施してきた研究と融合し、生まれ持った遺伝子をはじめ、在学中だけでなく現在の体力レベルを調査する予定です。そして、それらの関係性を分析するなど、包括的なエビデンスを構築することで、本プロジェクトが日体大健康長寿研究(Nittai Healthy Longevity Study)として世界に認知されるよう努めてまいります。


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