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「子どものからだに関する研究」の紹介

 今回のコラムでは,プロジェクト2「子どものからだに関する研究」の一端を紹介します.

 プロジェクト2のメンバーは,私(野井真吾)のほか,鈴川一宏教授,鹿野晶子准教授,城所哲宏助教です.どなたも子どものからだ研究の専門家で,子どものからだのおかしさ,睡眠,実行機能,疲労,メンタルヘルス,生活,身体活動,立ち机等といったテーマを掲げて,保育・教育現場でのフィールド調査をメインに研究を進めています.加えて,コロナ禍に見舞われたこの1年は,COVID-19パンデミックが子どものからだと心に及ぼす影響についての緊急web調査や学校健康診断の分析にも取り組みました.その結果,この1年間も多くの新聞(読売新聞,朝日新聞,ほか)や雑誌(子どものしあわせ,人間と教育,体育科教育,中学保健体育科ニュース,ほか)がそれを紹介してくださいました.このように多くのメディアが取り上げてくださると,子どものからだ研究の“メッカ”ともいえる本学体育研究所の研究成果が広く求められていることを痛感します.そのため今後も,社会的要請に応えられる研究活動に努めていきたいと思います.引き続き,よろしくお願いします.

 またここ数年,体育研究所は子どものからだと心・連絡会議(議長:野井真吾)が毎年12月に主催する「子どものからだと心・全国研究会議」にも,共催という形で関わっています.この全国研究会議は,子どもの“からだと心”に興味のある方ならどんな職種の方でも参加できます.そのため,保育・教育現場の養護教諭や教諭だけでなく,学童保育の指導員や地域で子育て支援,行政に携わっている方,学校医のドクター,子育て中のお母さん,お父さん,子ども自身等々,本当に多職種の方々が集ってくれます.そして,「せっかくいろいろな立場の方が集っているのだから」ということで,子どもの“からだと心”について思っていること,感じていることは,“何でも出し合おう”, “ワイワイ・ガヤガヤ議論しよう”ということを大切にしています.子どもを取り巻く分野の方々が集って議論するこのような機会は意外にもあまりません.ですから,私にとっても,とても貴重な機会になっています.

 そんな全国研究会議に,今年は“ゴリラ”も参加してくれることになりました.「まさか!」と思う方がいるかもしれませんが,ゴリラ研究の世界的権威である山極壽一先生(総合地球環境学研究所所長,京都大学前総長,日本学術会議前会長)が特別講演をしてくれます.「ゴリラでなく,ゴリラ研究者か」とお思いの方もいるかもしれません.でも,やはり「ゴリラ」なのです.以下は,山極先生の著書『ゴリラからの警告』(毎日新聞出版)の冒頭の一文です.

 私はゴリラの国へ留学してきた.いつもそう言っている.まさか,と笑う人もいるが,私は本気でそう思っている.

 それは,私たち日本の霊長類学者の調査方法による.創始者の今西錦司は,「サルになり代わって,彼らの社会や歴史を記録せよ」と言って,学生を野生のサルたちが暮らす原野へ送りだした.サルの群のなかへ入りこみ,自らがサルになって彼らと同じような暮らしを味わい,サルたちのコミュニケーションの輪に参加して,彼らの社会の仕組みを理解することを目指したのである.

 今年12月は,そんな山極先生が日体大に来て,ゴリラの視点で感じる人間の子どもたちの不思議を語ってくださるというわけです.どうぞ,ご期待ください.私たちのプロジェクトでは,上記の研究成果の発信とともに,このように子どもを取り巻く方々が集って,ワイワイ・ガヤガヤ議論できる機会の提供にも努めていきたいと思っています.子どもの“からだと心”に関する“ワイワイ・ガヤガヤ”にも,どうぞお気軽にご参加くださればと思います.

※「第43回子どものからだと心・全国研究会議」の詳細は,子どものからだと心・連絡会議のHP(http://kodomonokaradatokokoro.com)で確認できます.

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