体育研究所

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2021年度がスタートしました

 体育研究所では3年前から健康を大きなテーマに掲げて、中高年、こども、女性の健康およびその基礎研究をテーマとして所員の皆様に研究活動に取り組んでもらっています。日体大は石井隆憲新学長による新体制で本年度のスタートを切りましたが、石井学長から体育研究所は引き続き現状の体制で研究活動を進めていくべしとのお言葉をいただいています。

 今年度の体育研究所で大きく変わった点は新規助教RF(リサーチフェロ―)2名の加入です。子どものからだに関する研究であるプロジェクト2には城所哲宏先生、中高年の健康寿命延伸に関わるプロジェクト3には大田崇央先生がそれぞれ加わっていただきました。両先生ともに新進気鋭の若手研究者であり、すでに助教RFとして位置づいている小谷鷹哉先生とともに体育研究所の研究を力強く牽引してくださることと大いに期待しています。

 私が関わっているプロジェクト1(健康に関わる基礎研究)に関してご紹介します。DNAおよび遺伝子は設計図に例えられる場合がありますが、その設計図であるDNA/遺伝子は人によって少しずつ違いがあります。例えばお酒が飲めるかどうかについて、お酒を分解する遺伝子が人によって異なっており、お酒を分解できる遺伝子を持っている人もいればその設計図が一部書き変わっている人もいるためにその差が生まれています。このようなDNAの多様性を遺伝子多型と呼びます。

 現在の科学技術では、あたかも文章作成ソフトで文章を書くかのごとく、遺伝子を書き換えることが可能になっています。この技術は遺伝子編集と呼ばれ、2020年ノーベル医学生理学賞の受賞対象になりました。プロジェクト1ではこの遺伝子編集技術の導入と確立に取り組み、すでに遺伝子編集技術を確立するに至っています。

 この技術を利用して本年度よりアジア人に特徴的な遺伝子多型を実験的に模倣・再現し、その骨格筋の特徴を研究するプロジェクトをスタートさせました。特にこの研究では加齢に伴って筋肉の量が減少するサルコペニアに焦点をあてた研究を進めていく予定です。なお、この研究課題は日本私立学校振興・共催事業団の学術研究振興資金の支援を受けることとなりました(研究課題名:アジア人の遺伝的背景に基づいたサルコペニア予防戦略)。

 長く続くコロナ渦には終わりが見えないような焦燥感や諦念の思いがありましたが、ワクチンに一筋の光明が見出せそうな状況に期待しています。一方で研究活動には終わりはなく、こちらは日々精進するのみです。日体大体育研究所へのご理解とご支援をなにとぞよろしくお願いいたします。

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