体操用語

指導者として理解しておきたい
体操用語

腕の「前回し」って?

両腕を体側につけた状態から腕を前方へ振りあげて回すことが「前回し」になります。反対に、気をつけの姿勢から腕を後方へ振りあげて回すことを「後ろ回し」と言います。
 ポイントは、基準となる動き出しの姿勢です。一般的に、体操を行う場合の基本姿勢は 気をつけ” です。 仮に、両腕を真上にあげた状態を基本姿勢にした場合は腕を前方へ振りおろして回すことが「前回し」にあたります。
 つまり、基本となる姿勢から腕を動かす方向によって説明の仕方が変わってきます。



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伸脚って?

“ 伸脚” とは、脚を伸ばしている状態のことを言います。つまり、気をつけの姿勢で直立している時の脚の状態や長座姿勢にて脚を伸ばしている状態のことになります。
 準備運動のなかで、通称“ しんきゃく” と呼ばれている運動は、「片脚を曲げながら、もう一方の脚の伸脚を行いましょう」といった表現になります。正しくは「開脚交互屈伸運動」と言います。

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膝を回す?

脚部の運動をもうひとつ取り上げます。「膝を回しましょう」と言って膝に手を置いて床と水平にグルグルと回している場面を見ます。見た目は膝を回しているように見えますが、実際には膝は回りません。膝という関節は前後左右と関節を固定する靭帯によって屈伸運動しかできないような構造になっています。
 通称“ 膝を回す” と呼ばれている運動は、「脚(膝)の屈伸運動と足首をねじる運動、さらに腰をねじる運動」といった複合的な動作になります。

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アキレス腱を伸ばす?

準備運動のなかで「アキレス腱を伸ばしましょう」と伝えている場面を見ます。
 ところで、アキレス腱は伸びるのでしょうか。アキレス腱は下腿筋と踵骨をつなぐ部分で白く硬い繊維でできています。
 したがって、下図のように脚を前後に開いて下腿部を伸ばすような動作ではアキレス腱は伸びません
 通称“ アキレス腱伸ばし” と呼ばれている運動は、腓腹筋やヒラメ筋といった「下腿筋郡を伸ばす運動」になります。 
 最近は言葉を何でも省略する傾向が見受けられますが、まずは言葉の意味合いを十分理解することが大切です。

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