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大学院生が東京大学の体験活動プログラムに貢献し、感謝状を授与されました。
研究活動
2025.06.05(木)

本学大学院保健医療学研究科救急災害医療学専攻に在籍する増留 流輝さん(博士課程2年)が、東京大学が実施する「体験活動プログラム」に多大な貢献をされ、同大学より感謝状が授与されました。増留さんは、令和6年能登半島地震の被災地支援において、その専門知識と実務経験を活かし、学生たちの学びを深める貴重な機会を提供しました。
東京大学の「体験活動プログラム」は、学生が社会課題の現場に身を置き、主体的な学びを深めることを目的とした課外プログラムです。令和6年能登半島地震の発災を受け、同大学の「FS能登町支援チーム」が受入主体となり、甚大な被害を受けた石川県能登町で活動を展開しています。このチームは震災以前から地域との継続的な関わりを持ち、住民や行政との信頼関係を基盤に、ボランティア活動や能登に関心を持つ学生の育成に取り組んできました。プログラム参加学生は、現地での視察、住民・行政へのヒアリング、支援活動を通じて、創造的復興や「関係人口」の形成を目指しており、「対話と共感」に基づいた教育的価値の高い取り組みとなっています。
増留さんは、日本体育大学大学院に在籍しながら厚生労働省DMAT事務局に所属し、能登半島地震発災直後から現地で医療支援に従事していました。現地で開催された伝統行事「あばれ祭り」でFS能登町支援チームの学生と出会ったことをきっかけに、その熱意に共鳴し、活動支援を開始しました。
令和6年9月20日には、プログラムの中核として能登町役場にて特別講演を実施。DMATとしての発災初動の現場対応、混乱する医療体制と行政の連携実務、住民との信頼構築の過程など、実体験を具体的に学生に共有しました。また、ボランティア活動における車両手配や移動支援といった後方支援も担い、プログラム全体の円滑な実施に貢献。現場知と実務力を活かした支援は、学生たちの学びをより実践的なものとしました。
 
増留さんコメント
特に印象的だったのは、学生たちが災害を「他人ごと」とせず、主体的に向き合っていた姿です。講演後には、「災害が初めて自分ごとになった」「自分が果たせる役割を真剣に考えたい」といった声が寄せられ、災害現場のリアルを伝えることの意義と責任を改めて実感しました。
災害医療の専門家としてだけでなく、教育者として次世代の学びに関わることができた本経験は、私にとっても非常に大きな意味を持ちました。本プログラムは、災害対応・行政・教育の各分野を横断しながら、人材育成という共通目標に向かう好例であり、今後もこうした多領域をつなぐ実践と教育に携わっていきたいと考えています。
 
増留さんの多岐にわたる活躍は、本学大学院生の社会貢献への高い意識と行動力を示すものであり、今後のさらなる活躍を期待いたします。
増留_感謝状2
東京大学 感謝状(増留)_増留 流輝_page-0001