本学助教2名が私学事業団「若手・女性研究者奨励金」に採択されました。
研究活動
2025.05.22(木)
研究活動
2025.05.22(木)
この度、本学のオリンピックスポーツ文化研究所の関口雄飛助教と、体育学部の久保田茉莉助教が、公益財団法人日本私立学校振興・共済事業団(以下、私学事業団)の2025年度「若手研究者奨励金」および「女性研究者奨励金」にそれぞれ採択されました。
この奨励金は、研究者が自ら考案した研究計画を実現する機会を提供することで、私立大学等が取り組む特色ある多様な教育・研究を振興し、次世代の担い手となる人材を育成することを目的としています。2025年度の採択状況は、若手研究者奨励金が応募件数133件中39件採択(採択率29.3%)、女性研究者奨励金が応募件数117件中36件採択(採択率30.8%)でした。
2025年5月16日(金)に東京ガーデンパレスにて贈呈式が執り行われ、両助教が出席し、5月21日(水)に中里副学長へ採択の報告がされました。
なお、中里副学長も、令和3年度から令和5年度の3年間に亘り「アジア人の遺伝的背景に基づいたサルコペニア予防戦略」という研究課題において、私学事業団の学術研究振興資金に採択されており、今回の快挙はその流れを継承するものでもあります。
両助教のこれまでの研究活動の成果が認められたこの度の採択は、本学にとっても大変喜ばしいことです。今後の両助教の研究活動の発展を心より応援しています。
この奨励金は、研究者が自ら考案した研究計画を実現する機会を提供することで、私立大学等が取り組む特色ある多様な教育・研究を振興し、次世代の担い手となる人材を育成することを目的としています。2025年度の採択状況は、若手研究者奨励金が応募件数133件中39件採択(採択率29.3%)、女性研究者奨励金が応募件数117件中36件採択(採択率30.8%)でした。
2025年5月16日(金)に東京ガーデンパレスにて贈呈式が執り行われ、両助教が出席し、5月21日(水)に中里副学長へ採択の報告がされました。
なお、中里副学長も、令和3年度から令和5年度の3年間に亘り「アジア人の遺伝的背景に基づいたサルコペニア予防戦略」という研究課題において、私学事業団の学術研究振興資金に採択されており、今回の快挙はその流れを継承するものでもあります。
両助教のこれまでの研究活動の成果が認められたこの度の採択は、本学にとっても大変喜ばしいことです。今後の両助教の研究活動の発展を心より応援しています。

【若手研究者奨励金】
オリンピックスポーツ文化研究所 助教 関口 雄飛
研究課題:アジア・太平洋戦争末期全国町村における厚生運動の受容と展開
関口助教コメント:
この度は、私学事業団より「若手研究者奨励金」に採択いただき、大変光栄に存じます。また、日頃より研究活動をご支援いただいている皆様に深く感謝申し上げます。誠に有り難うございます。私の主たる問題関心は、近現代日本の健康政策史を、都市レベルや町村レベルで捉えることにあります。これまでは、日中戦争期(特に、1938年~1941年)の都市において精力的に推し進められた厚生運動(recreation movementの日本語訳)を取り上げてきました。これに対し本研究課題は、その存在さえもほとんど知られていなかった、アジア・太平洋戦争期(特に、1943年~1945年)の町村(3,000~5,000人規模の26に及ぶ指定地区)における厚生運動の拡がりとその論理を、分析・考察していくものです。当該時期日本では、厚生(recreation)などによる余暇の組織化や、それを媒介とした国民動員体制が不在ないし不在に等しい状況であった、という通説的イメージを根本的に見直す試みであります。また、それぞれの土地に生きる人々が、それぞれの社会や文化の中で、なぜ、どのように厚生を享受してきたのかを解き明かす点で、地域にとって最適な健康政策を考案する際に有用な知見を提供することが期待されます。手堅い成果を公開することができるよう、引き続き、史料と真摯に向き合って参ります。
研究課題:アジア・太平洋戦争末期全国町村における厚生運動の受容と展開
関口助教コメント:
この度は、私学事業団より「若手研究者奨励金」に採択いただき、大変光栄に存じます。また、日頃より研究活動をご支援いただいている皆様に深く感謝申し上げます。誠に有り難うございます。私の主たる問題関心は、近現代日本の健康政策史を、都市レベルや町村レベルで捉えることにあります。これまでは、日中戦争期(特に、1938年~1941年)の都市において精力的に推し進められた厚生運動(recreation movementの日本語訳)を取り上げてきました。これに対し本研究課題は、その存在さえもほとんど知られていなかった、アジア・太平洋戦争期(特に、1943年~1945年)の町村(3,000~5,000人規模の26に及ぶ指定地区)における厚生運動の拡がりとその論理を、分析・考察していくものです。当該時期日本では、厚生(recreation)などによる余暇の組織化や、それを媒介とした国民動員体制が不在ないし不在に等しい状況であった、という通説的イメージを根本的に見直す試みであります。また、それぞれの土地に生きる人々が、それぞれの社会や文化の中で、なぜ、どのように厚生を享受してきたのかを解き明かす点で、地域にとって最適な健康政策を考案する際に有用な知見を提供することが期待されます。手堅い成果を公開することができるよう、引き続き、史料と真摯に向き合って参ります。

【女性研究者奨励金】
体育学部 助教 久保田 茉莉
研究課題:人間の尊厳とジェンダー平等に着眼した新たな性売買規制の探究
久保田助教コメント:
私は、憲法学の立場から、ジェンダー問題に取り組んでおります。女性の解放に寄与したいという一心で研究に励んできたため、「女性研究者奨励金」に採択いただけたことは、大変光栄であると同時に、身の引き締まる思いです。
この度の採択課題は、買春処罰を導入したフランスを参考に、日本における性売買関連法制を検討するものです。性売買は、女性の品行の問題と見られがちですが、その背後には、女性の貧困や男女格差があります。畢竟、これは女性の問題ではなく、女性を脆弱な地位に置き無力化するミソジニー社会の問題、そして、女性を商品と見做して憚らない男性(買春者)の問題なのです。にもかかわらず、日本の売春防止法は、その名の通り、主に「売春」に焦点化されており、「買春」への対処規定がありません。そこで、日本でも、買春処罰や買春者への教育といった内容を含む法制度を構築する必要があると考えています。そのためには様々な理論的課題があるのですが、本研究の遂行により、その一端を解決し、女性が尊厳をもって暮らせる社会の実現に貢献できればと思います。ご支援への感謝を胸に、一層研究に邁進してまいります。
研究課題:人間の尊厳とジェンダー平等に着眼した新たな性売買規制の探究
久保田助教コメント:
私は、憲法学の立場から、ジェンダー問題に取り組んでおります。女性の解放に寄与したいという一心で研究に励んできたため、「女性研究者奨励金」に採択いただけたことは、大変光栄であると同時に、身の引き締まる思いです。
この度の採択課題は、買春処罰を導入したフランスを参考に、日本における性売買関連法制を検討するものです。性売買は、女性の品行の問題と見られがちですが、その背後には、女性の貧困や男女格差があります。畢竟、これは女性の問題ではなく、女性を脆弱な地位に置き無力化するミソジニー社会の問題、そして、女性を商品と見做して憚らない男性(買春者)の問題なのです。にもかかわらず、日本の売春防止法は、その名の通り、主に「売春」に焦点化されており、「買春」への対処規定がありません。そこで、日本でも、買春処罰や買春者への教育といった内容を含む法制度を構築する必要があると考えています。そのためには様々な理論的課題があるのですが、本研究の遂行により、その一端を解決し、女性が尊厳をもって暮らせる社会の実現に貢献できればと思います。ご支援への感謝を胸に、一層研究に邁進してまいります。
