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スポーツ庁委託 「令和6年度令和の日本型学校体育構築支援事業」実施のお知らせ
研究活動
2025.02.14(金)

令和4年度、令和5年度に続き令和6年度もスポーツ庁委託事業 「令和6年度令和の日本型学校体育構築支援事業」を本学が受託し実施しました(事業実施責任者 体育学部教授 大石健二)。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大等により様々な活動が制限され、子供たちが運動やスポーツに親しむことができるようにするための、体育の授業における運動の多様な楽しみ方を共有し、運動が苦手な子供をはじめ全ての子供に、できる喜びを味わわせていくことの必要性が高まりました。そこで、本事業は、「令和の日本型学校体育」の構築に向けて、子供たちの安全・安心を確保し、技能差・体力差・体格差等に配慮しながら、個々の能力に適した指導・支援を行うことで、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを実現する体育の授業改善を図ることを目的としています。
 
●GIGAスクール環境下における体育授業の充実
Society5.0と呼ばれる新な時代に向けた人材育成として小学校、中学校さらには高等学校においてICT教育やSTEAM教育と称される新しい学習方法が求められています。そこで本事業では、体育授業にウエラブルデバイス及びタブレットを用い、生徒個人の運動強度と運動量を「見える化」することにより、生徒が自己の身体について客観的に自己評価を行い、体つくり運動において「自己に適した体力向上のための計画づくり」に資する可能性について検討します。
 今年度は、本学の強みの1つでもあります、ワンファミリーの下、日本体育大学荏原高等学校、日本体育大学柏高等学校、日本体育大学桜華高校、浜松日体高等学校の4校に加え日本体育大学桜華中学校を主軸に中学校ならびに高等学校における持久走の授業における生徒個人の運動強度(脈拍数)と運動量(移動距離)の「見える化」を行いました。
本事業は、体育嫌いの理由に挙げられる持久走の授業に対し、ただ速く走るだけの授業ではなく、生徒個人の運動強度(脈拍数)を考慮した速度での運動実施を課題としました。具体的には、目標心拍数に適した走速度で走った場合に一定時間内で走ることが可能な距離の確認をしたり、前半から80%HRmaxの運動強度で運動した場合の疲労困憊地点(バテる距離)を確認したりとデータを活用した授業を実施しました。このように自分自身の脈拍数と移動距離の「見える化」により、生徒個人が自分自身の体力を客観視する機会となり、さらには健康の維持増進に必要な運動を学ぶ機会になると考えています。
尚、本事業成果は、体つくり運動の体育授業としての教育コンテンツとしてはもとより、生徒自身が体育授業によるデータに興味を抱き分析実施に至れば、「数学」や「情報」、さらには「総合的な探求の時間」にも使用可能な授業教材にも成り得ると考えています。
このように、体育とは異なる学問領域から体育授業の目標である「健康や体力の状況に応じた体力を高める必要性の認識」さらには「運動やスポーツの習慣化」を学ぶ教材開発にもなり、体育を好まない生徒など全ての生徒の可能性を引き出す体育授業を考えています。
荏原右 日本体育大学荏原高等学校 渡邊健 校長
左 日本体育大学 体育学部 大石健二 教授
桜華右 日本体育大学桜華中学校 日本体育大学桜華高等学校 牛来峯聡 校長
左 日本体育大学 体育学部 大石健二 教授
柏右 日本体育大学柏高等学校 氷海 正行 校長
中 同校 高橋佑奈 保健体育科主任
左 日本体育大学 体育学部 大石健二 教授
浜松右 浜松日体高等学校 杉本芳和 校長
左 同校 上田通之 保健体育科主任
中 日本体育大学 体育学部 大石健二 教授