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第13代学長に石井 隆憲 教授が就任
お知らせ
2021.04.05(月)

学長挨拶

日体維新 -さまよえる近代からの脱皮-

学長 石井 隆憲
今年度より学長を拝命いたしました石井隆憲です。以後よろしくお願いいたします。
さて、本学は今年で130年を迎えます。本学が創設された1891年は、まさに体育・スポーツが組織的な体裁を整えて地球上で産声を上げる、そうした時期に相当します。世界を見渡すと本学の創設と同じ年にアメリカではバスケットボールが考案され、その3年後には国際オリンピック委員会(IOC)がフランスで設立されました。その2年後には第1回の近代オリンピックがギリシャで開催されています。

このように本学は近代スポーツが登場し、それが地球規模で伝播、拡散する歴史と軌を一にしているわけです。この間、スポーツが果たす役割も大きく変化、拡大を見せてきました。もちろんそれはスポーツに対するニーズの変化としても現れることになります。スポーツは日常生活の中に組み込まれ、私たちの生活の中に潤いを与えるようになったのです。
ところが新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、私たちの生活は一変し、これまで当たり前であった日常が、当たり前ではなくなりつつあります。人々の移動は国家単位で制限がかけられ、国境を越えた往来が安易にできなくなっています。まさに現代社会を牽引してきたグローバリゼーションという現象に歯止めがかけられた状態です。そして、こうした状況の直撃を受けたのが「東京2020オリンピック・パラリンピック」です。Withコロナの時代にあって「東京2020オリンピック・パラリンピック」の開催とその成功は、近代から続くスポーツシステムとどのような部分で決別し、どのような形でシステムの再構築を図るのかが問われることになります。そうした意味において東京大会は、新しい時代のスポーツの在り方の一つのモデルを提示してくれるものと期待しています。
 
今なお続く、近代のスポーツシステムはまさに変わろうとしているさなかにあります。本学もこうした流れの中で、大きな変化と新しい生活に適応する、新しい日体大の在り方を模索していくことになります。現在掲げる合言葉は「日体維新」。新生、日体大を目指していきます。
 
令和3年(2021年)4月1日
日本体育大学
学長 石井 隆憲