オリンピック・パラリンピック教育の定義

オリンピック・パラリンピック教育の定義
オリンピック・パラリンピック教育とは、オリンピックの理念(オリンピズム)、パラリンピックの理念について学ぶとともに、オリンピック・パラリンピックの価値を体験的に教えていこうとする教育的活動のことです。
オリンピック教育
オリンピズムとは、近代オリンピックの創始者であるピエール・ド・クーベルタンが唱えたオリンピックの精神です。それは、スポーツによって心身ともに調和のとれた人間を育て、そのような選手たちが4年に一度世界中から集まり、フェアに競技し、異文化を理解しながら友情を育むことによって、平和な社会を実現しようという考え方です。
国際オリンピック委員会(以下IOC)は、オリンピックの中心的な価値として以下の3つを強調しています。
オリンピック教育における代表的な教育プログラムとしては、上記のようなオリンピックの価値を教えて行くことを目的としたIOCのOVEP【Olympic Values Education Programme(オリンピック価値教育プログラム)】があります。
パラリンピック教育
パラリンピックの原点は、医師であるルードヴィッヒ・グットマンが、戦争で負傷した元軍人たちのリハビリの一環としてスポーツを取り入れ、病院内で車いす患者によるアーチェリー大会を開催したことです。国際パラリンピック委員会(以下IPC)は、スポーツを通じ、障がいのある人にとってよりよい共生社会を実現することを理念とし、パラリンピアンたちに秘められた力こそがパラリンピックの象徴であるとして以下の4つの価値を重視しています。
IPCによれば、パラリンピック教育の目的は、「障がいのある人々への理解や気づきを生み出す教育システムに、パラリンピックの理念と価値を統合させること」とされています。
このようにIOCとIPCは、それぞれの理念を実現するために、異なる目的を持って様々な教育的活動を展開しています。
2020東京大会ではそれらを包括的に捉えて「オリンピック・パラリンピック教育」を実施し、具体的な学びの内容は以下の2つを骨格として構成されます。
こうした学びを通じて世界中の人々がもつ人種や文化、宗教、価値観などの多様性を尊重し、世界平和に向けて活躍できる人間を育てることが、オリンピック・パラリンピック教育の目標です。