体育研究所

体育研究所
Home > コラム:月経周期に伴うコンディション変化を改善するための方法の探索と検証(須永)

月経周期に伴うコンディション変化を改善するための方法の探索と検証(須永)

 本プロジェクトでは、女性特有の生理現象である月経周期に着目し、性ホルモン濃度のゆらぎが心身のコンディションに与える影響について研究しています。月経周期に伴うコンディション変化が運動・パフォーマンスに与える影響についてエビデンスを構築するとともに、月経教育に関する教材を開発することを目的としています。

月経周期とは?

 女性は、12歳ごろに初潮が発来し、50歳ごろに閉経を迎えるまで月経周期を有します。月経周期とは、月経開始日から次の月経の前日までの日数のことをいいます。正常な月経周期は25~38日とされています。この期間のなかで、規則的に女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が増減します(図1)。
 月経周期は視床下部-下垂体-卵巣系とよばれる調節系によってコントロールされており、生殖機能において重要な役割を担っています。しかしながら、月経周期に伴うホルモン濃度のダイナミックな変化は様々な組織のはたらきに影響を与え、からだの不調を引き起こすといわれています。これを「月経随伴症状」といいます。

図1 月経周期とコンディション(本プロジェクトで作成した小冊子「はじめての月経コンディショニング学」より引用)

月経周期に伴うコンディションの変化の改善にむけて

 月経随伴症状は、性ホルモン濃度の急激な変化によるものと考えられていますが、そのメカニズムについては十分に明らかとなっていません。そこで、本プロジェクトでは、月経周期に伴うコンディションの変化を「見える化」するためのマルチマーカーとしてプロテオミクスに着目しました。プロテオミクスとは、血液に含まれるタンパク質を網羅的に解析する手法です。それによってタンパク質の構造や状態(発現量や活性の有無(スイッチのOn/Off))、さらにタンパク質の機能性・動態などについての情報を得て、“その時”の生体情報(健康状態)を包括的にプロファイリングすることができます。
 本プロジェクト研究によって、月経周期に伴うコンディション変化と血中タンパク質の関連性を明らかにすることで、月経随伴症状の改善策の提案につなぐ重要な基礎データとして利用できると考えています。

図2 実験の様子
このページの上部へ

交通アクセスサイトポリシー個人情報保護ポリシー

Logo copyright Nippon Sport Science University, All rights reserved.