NASS(アスリートサポートシステム)

NASS

アスリートの夢をサポートするNASS

NASSは、本学独自の学生アスリート支援システムです。
本学の全学生を対象に競技力向上を目的としたサポートを行っています。
これまで本学が蓄積してきた競技力向上の知識を集結させ、
様々な領域の専門家が連携しながら多岐にわたるサポートを展開しています。

医・科学サポート、パラアスリートサポート、コーチングサポートから構成されており、各部門おいて幅広い知識を持つ専門家が学生アスリートの可能性を広げるための支援を行います。 その中で医・科学サポートは、競技力向上をスポーツ医・科学の分野から総合的に支援するものであり、NASSの中心事業です。6種類のサポート部門から構成されており、競技レベルに応じたサポートが展開されます。

サポート対象者

NASSでは、全学生を対象に競技レベルに応じたランク(NASSランクA~F)を設けています。ランク上位者から優先的に希望するサポートを受けることができるなどNASSランクに応じてサポート内容が異なります。
NASS図2

医・科学サポート

1.パフォーマンス分析サポート

アスリートの体力や技術、実際の競技における戦術等に関して評価・把握するために、定量化できる側面からの分析サポートを行います。
フィットネスチェック
フィットネスチェックストレングスで培った筋機能をグラウンドやフロアでのパフォーマンスにつなげることを目的に行います。スピード、バランス、コーディネーション、持久力など、ストレングス以外の体力要素を高めるためのトレーニングプログラムの作成、トレーニングの実施指導・補助を実施します。
映像・情報技術サポート
映像・情報技術サポートビデオ映像による動作分析、ゲームパフォーマンス分析(試合分析)を行えるソフトウェアを活用したサポートを行います。
利用者の声
映像分析で日体大女子バスケットボール部を勝つ集団へ!
今年度で女子バスケットボール部のアナリストとして2年目の活動になります。映像分析に対して無知だった私はスポーツコードのお陰でバスケットに対してはもちろん、スポーツそのものを少しずつ勉強することができています。
主に女子バスケットボール部アナリストでは、複数人でtechnical班となり、自チームのフィードバックや対戦相手のスカウティング、更には他チームなどのトップレベルの選手達の映像を収集し、選手へ提供するという事を行っています。スポーツコードによって、シーン別にカットされた映像を元にチームや個人の特徴、ミスの原因、成功・失敗したプレイの分析など、様々なものを作ることができます。

バスケットボール部女子 川村 莉央 選手(体育学部4年)
利用者の声_バスケットボール部女子

2.トレーニングサポート

スポーツ・トレーニングセンターを中心にトレーニングに精通する研究室が連携し、競技種目やクラブの強化目標に合わせたトレーニングプログラムを提案・提供します。
ストレングス
ストレングスストレングストレーニングを中心に筋力、パワー、筋持久力など 筋機能を総合的に高めることを目的に行います。ピリオダイゼーションを基にトレーニングプログラムの作成、トレーニングの実施指導・補助、測定・評価を一連の流れとしてサポートを実施します。
フィットネス
フィットネススピード、バランス、持久力など、ストレングス以外の体力要素を高めるためのトレーニングプログラムの作成、実施指導・補助を行います。
利用者の声
個人の課題に合ったメニューを担当コーチと取り組む!
NASSのトレーニングサポートの良い点は、競技における個人の課題に合ったメニューを担当のストレングスコーチと相談しながら、取り組むことができることです。
私は、コート内でのステップ動作に課題があり、それを改善するための一つとして、下半身の筋力とパワーの強化を目的にウエイトトレーニングに取り組んできました。トレーニングを始めた頃と比べて、ウエイトを持てる重量および筋量が増え、力強くステップすることができるようになりました。また、単に高重量が挙げられることだけでなく、体の使い方や動かし方についても指導して頂いたことで、コート内での動きがスムーズになったことを実感しています。

バドミントン部 パラアスリート 今井 大湧 選手(体育学部4年)
利用者の声_バドミントン部

3.メディカルサポート

スポーツ医学・アスレティックトレーニングに関する教員、アスレティックデパートメントのスポーツ医・科学サポートスタッフ(トレーナー)、日体大クリニックの連携・協力によりアスレティックトレーニングサポートを行います。
アスレティックトレーニング
アスレティックトレーニングメディカルチェック、コンディショニングなどにより、スポーツでの外傷・傷害を予防。外傷・傷害を負った場合は、治療とリハビリテーションを行います。
学生トレーナーの派遣
学生トレーナーの派遣学友会トレーナー研究会の協力の下、学生トレーナーを現場へ派遣し、テーピングやアイシングなど簡単なアスレティックトレーニングを実施します。また、遠征(合宿や競技会など)に帯同することも可能です。
血液検査
血液検査メディカル部門では、日本体育大学クリニックと連携し、血液検査によるコンディショニングチェックを実施しています。検査結果については、スポーツ医学の専門医がフィードバックを行い、必要に応じてすぐに診察や治療を受けることができ、また栄養面でのサポートが必要な場合は、スポーツ栄養士の担当者からアドバイスを受けることもできます。
利用者の声
学生トレーナーは、ラグビー部女子には必要不可欠な存在!
ラグビー部女子では、2013年から卒業生のトレーナーを派遣して頂き、2015年から正式にNASSサポートにより学生トレーナー(トレーナー研究会所属)を派遣して頂いています。
学生トレーナーは日々の練習前にテーピングを巻いてくれるだけでなく、ウォーミングアップでの体幹やアジリティー、ダイナミックストレッチングなどでもリーダーシップをとっています。練習中に怪我や体調不良で様子のおかしい選手がいればすぐに駆け寄って対応し、試合後は選手コンディションをとりまとめてヘッドコーチに報告してくれます。リカバリーセッションでは傷害予防やモビリティの指導も実施してくれており、怪我をした選手のリハビリにも寄り添ってくれています。ヘッドコーチにはなかなか話しづらいような選手の悩み相談を聞いてくれていることもあり、現在ではラグビー部女子には必要不可欠な存在となっています。

ラグビー部女子 古賀 千尋 ヘッドコーチ(アスレティックデパートメントスポーツ専門職)
ラグビー部女子

4.心理サポート

スポーツ心理学、臨床心理学の専門家が、選手の特性や状況に合わせて心理サポートを提供。自分で考え、自己調整ができる、自己管理能力の高い選手の育成を目指します。

心理セミナー
選手や監督から心理的課題をヒアリングし、必要なメンタルトレーニングの知識や技術を提供。
心理サポート
利用者の声
自分がさらにレベルアップするには心理面での成長が必要!
私は、心理サポートを受けて良かったと思っています。アーチェリー競技は自分との戦いです。競技の特性的にも心理面はとても重要で成績に大きく関わってきます。
心理サポートでは唾液コルチゾールの測定・分析やカウンセリングを受けました。特にカウンセリングでは、自分の思ったことを正直に話すことによって、自分が今なにを感じているのか、考えているのかを整理することができました。そのおかげで自分の状態を知ることができ、その自分の状態にどのようなアプローチをしていけばいいのかがとても明確になりました。それによって、心理面は強くなれたと思いますし、感情の起伏が少なくなり、落ち着いて試合を行えるようになりました。

アーチェリー部 戸松 大輔 選手(体育学部2年)
アーチェリー部

5.栄養サポート

栄養状態を整えることは、選手がよりよいコンディションで練習やトレーニングを行うための準備のひとつです。競技目標達成を目指して、学生アスリートが自ら適切な栄養管理を行えるようになるために、栄養セミナー、個別サポートなどを実施して支援します。

個別サポート
選手の栄養状態を確認し、改善計画を作成。実践・継続できるように多方面から支援を行います。
栄養サポート
利用者の声

硬式テニス競技での栄養管理の難しさ

試合時の早朝移動における朝食、1日複数試合を行う場合の試合間の食事や補食の摂り方、長時間暑い中での試合における適切な水分補給や補食等の対応が挙げられます。

栄養サポートを取り入れた理由

セミナーを通じて、基本知識の再確認や新しい知見を得ることで自身の栄養摂取に関心を持ち、エネルギーを生み出す栄養バランスの良い食事を毎回摂ることを目標にしてほしいと思っています。

セミナーの継続的な活用と選手の変化

少しずつ選手の意識も高まり、セミナーで得たことを実行できてきています。食生活は続けることが何より難しいので、毎年継続してセミナーを活用しています。

テニス部 森井 大治 部長兼監督(スポーツマネジメント学部 准教授)

大学生アスリートの食事管理の難しさ

自炊をしているので、栄養バランスの取れた食事を毎回用意するのが難しいです。栄養が偏りがちになるので、偏らないようにすることを特に気をつけています。

コンディショニングの目標で意識していること

食事、睡眠、毎日のストレッチング等を意識しています。

栄養セミナーを受けて意識するようになったこと

栄養バランスに気をつけて食事を摂るようになったことです。特に、肉や魚からたんぱく質を多く摂取することを意識しています。

テニス部 坂口 和妃 選手(体育学部2年)

6.女性アスリートサポート

女性特有の課題に対応したプログラム構築のための支援を実施。女性の生理的・心理的特性を考慮したコンディショニング、トレーニングプログラムを取り入れ、競技力向上を目指します。

女性アスリートの三主徴に関するアセスメント

食事摂取状況や月経に関する調査、骨密度および体組成測定(DXA法)を行い、女性アスリートの三主徴(利用エネルギー不足、無月経、骨粗しょう症)の予防・改善に役立てます。

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女性アスリートセミナー

女性アスリートが発症しやすい障害や疾患の予防、月経周期に応じたコンディショニングに関するセミナーを実施。女性アスリートの情報交換の場としても役立ちます。

女性アスリートセミナー

利用者の声
一人で悩むのではなく、女性アスリートサポートにサポートしてもらう!
月経周期とコンディショニングについてのセミナーでは、女性アスリートとして月経が重要であることを知り、不安の解決に繋がりました。また、練習で思うように走れないことがあり、原因が分からず悩んでいたのですが、女性アスリートサポートの血液検査でその原因が分かってほっとしました。検査の後も現在の状態や今後の対策などに対して、スポーツドクターや女性アスリートの研究をされている専門の先生方から丁寧にフィードバックを受けることができました。
利用者の声_陸上競技部女子駅伝ブロック

コーチングサポート

アスリートの成長に重要な役割を担うコーチの能力向上を支援します。コーチングに関する豊富な情報を持つ日体大コーチングエクセレンスセンター(CCE:Center for Coaching Excellence)のスタッフが、各コーチの目標にあったトレーニング、セミナーなどを行います。
ワークショップの開催
ワークショップの開催スポーツ医・科学、チームマネジメント、リーダーシップスキルなど、コーチから要望があったテーマで開催。
コーチ座談会の開催
コーチ座談会の開催競技現場で起こるさまざまな課題への対処について、異なる競技種目のコーチたちが意見交換できる場です。
メンタリング
メンタリングコーチ個々のニーズやペースに対応できるような、個人対応を基本とした支援を行います。
利用者の声
年間計画を「見える化」して進めてきているところです。
学生たちの思考が止まらないように、これでいいんだと止まってしまわないように、高みを目指して指導をしています。
今までは自分の頭の中で計画をイメージしていましたが、今回は紙ベースで年間強化プランを明文化しながらやってきて、学生と共有する情報を増やすことに挑戦しています。その点では、監督としても新たなチャレンジを実践できていると感じている。コーチングサポートを受けながら、選手と共に自分自身(監督)もまだまだ挑戦している途中だと思っています。

バレーボール部男子 山本 健之 監督(体育学部 准教授)
バレーボール部男子

パラアスリートサポート

パラアスリート一人ひとりの身体的特徴にあったトレーニングプログラムの提供など、障害の特性を踏まえた適切なサポートを目指します。また、東京工業大学との連携協定を活用し、より質の高い器具・装具類の開発・改良を推進していきます。
パラアスリートサポート

学生スタッフの養成

セミナーを開催し、フィットネスチェック、映像・情報技術サポートを補助する学生スタッフを育成しています。ストレングスコーチを目指す学生には、ストレングスの学生指導スタッフ育成セミナーを実施。スキル修得後は、各運動部のトレーニングサポートに参加できます。
学生スタッフの養成

研究サポート

研究サポートでは本学の競技力向上に還元できる研究課題に対して財政支援を行います。既存のスポーツ医・科学的知識の活用に留まらず、応用、技術の開発を目指します。
研究サポート

タレント発掘

日本スポーツ振興センターと連携してタレント発掘事業を行っています。2017年度より日本体育大学アスレティックデパートメントが窓口となっています。
タレント発掘では多くの学生に自身の可能性に挑戦する機会を提供します。トライアウトで得られた数値をもとに適性に合った種目をみつけ、世界で活躍できる選手を発掘することを目的にしています。

タレント発掘
タレント発掘