オリンピックスポーツ文化研究所
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発刊の辞

発刊の辞

 2013年9月7日(現地時間)に南米アルゼンチン・ブエノスアイレスで開催された第125次国際オリンピック委員会(IOC)総会は、2020年のオリンピックとパラリンピックを東京で実施することを決定した。爾後、本学はもとより全国各地で<オリンピック・パラリンピック>への期待が高まってきた。日本の首都・東京だけでこの大会を準備するのではなく、オールジャパン体制で迎えようという機運の盛り上がりも見られるようになっている。東京へのオリンピック招致は今回で3回目である。1940年開催予定の1回目は日中戦争の勃発により返上され、1964年の2回目は戦後の日本の復興を世界に発信する大会となった。またこのオリンピックの開催の後にパラリンピックと言う名称のもとで障害者スポーツの祭典が開かれたことでも知られるが、2020年の3回目は<オリンピック・パラリンピック>の名称のもとで、開催される。

 1891年にスタートした本学は1894年に結成されたIOC及びオリンピック競技大会の歴史と共にあり、オリンピックに触発されて発展を重ねてもきた。そこで3度目の大会招致を機に、2015年4月、<オリンピックスポーツ文化研究所>を新設するにいたっている。この研究所の研究成果は当面、<年次報告>とし、機関誌<オリンピックスポーツ文化研究Cultural Research of the Olympics >を通して発表される。研究論文、研究報告等が掲載され、投稿された原稿は日本語・英語・フランス語のいずれかで書かれる必要がある。また、投稿資格者は本学所属の教職員とするが、編集委員会で適切と判断された者(卒業生・学外者等)については投稿を認めることとなった。研究論文に関しては編集委員会の査読を必要とするが、研究報告は査読を行わない。また、投稿者の自由な意見の開陳ができるように配慮された。ただし、オリンピック乃至はパラリンピックを題材(対象)にした文化・社会科学的な研究であることが求められる。

 2016年はオリンピック・イヤー(リオデジャネイロでのオリンピック・パラリンピックの開催)である。この年に創刊号を上梓できることを慶びたい。

 オリンピックというスポーツの祭典は国際社会の<平和>を願って開催されるべきで、その理念は人類が等しく共有しなければならない。したがって国際社会が<戦争>のない平和な世界を樹立できれば、オリンピックに大きな役割を寄せることもなくなるであろう。しかし、世界中の至る所で戦闘・戦乱は止むことなく続いている。だから、いまこそ、世界中の人びとはオリンピックの理念を尊び、平和を醸すための運動を展開すべきであると申し上げたい。現代人の<平和>への願いをよそに、本研究所の存在意義はますます大きくなっているといわねばならないからである。

2016年3月 谷釜 了正

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